安倍首相が韓国で見せた余裕

11月2日、韓国で安倍首相と朴クネ大統領が首脳会談を行った。通常の首脳会談なら会談後、昼食会が開かれることが多いが、日本側の昼食会申し入れにもかかわらず韓国側が拒否した。

しかし、今回の安倍首相の行動はさすがだと言えよう。会談後、駐韓大使ら日本側だけでソウル市内の焼肉屋に足を運んだのである。店側によると安倍首相らは、韓国牛の霜降りロースのセットと味付けカルビを注文したという。店の選択といい、注文した焼肉といい、何ともフランクな「昼食会」である。しかしこのフランクな昼食会が成り行きで行ったわけがない。これは日本側の計算であろう。韓国側が断った昼食会の代わりに行ったこのフランクな昼食会が、日本側の精神的余裕を存分にアピールすることになったであろう。韓国側にすれば、一つやられたというのが正直なところであろう。

そもそも今回の韓国側には余裕などなく、焦りを感じていたはずだ。アメリカに迫られた中国の南シナ海進出への注文、経済の凋落とそれに関する日韓通貨スワップ問題、TPP問題。どれも一筋縄ではいかない問題ばかりだ。特に日韓通貨スワップに関しては、以前韓国側から一方的に打ち切った経緯があり、経済が困窮してきたからまた再開してくれとは都合がよすぎる。逆に言えば、日本側にとっては通貨スワップが一つのカードになった。すなわち今回の日韓首脳会談は圧倒的に日本側が有利であり、余裕があるのである。それが日本側だけのフランクな焼肉昼食会となったととらえられる。

今回の会談では、韓国側としては本来は慰安婦問題を利用して日本側に強く突っ込みたいところであったであろうが、それをするには今の韓国はあまりにも立場が弱すぎた。首脳会談はお互いの潤滑油であり、勝った負けたというたぐいのものではないが、あえて言うならば今回の会談に関しては日本側・安倍首相の圧勝であったと言える。

そして日本がこれから一番訴えていかなければならないのは、反日教育に対してであろう。韓国の異常な反日教育が続く限りぎくしゃくした関係の改善は望めない。しかし教育というものは変えたからといってすぐに効果の出るものではない。これからの日本側の粘り強い交渉が要求されるであろう。とにもかくにも日本側も韓国側も、これからの日韓関係は前途多難だ。

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