TPPは環太平洋地域の共同体になりえるか

最近、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が大筋合意した。僕自身、TPPによって関係各国間の関税システムがどのようになるかなどの詳細は分からないが、アメリカ・オバマ大統領たちはこのTPPを単なる経済協定ではなく、「経済上の安全保障同盟」とみなしているようだ。

話は少しそれるが、ヨーロッパでは昔、EC(ヨーロッパ共同体)という欧州諸国の共同体が結成され、それが現在のEU(ヨーロッパ連合)へと発展してきた。これは欧州諸国間の融合、あるいは国境の存在を薄くする動きだ。そうすることによってEU関連諸国間での対立、特に軍事的対立の可能性は確実に減少する。

このEUの試みを見本にして、東アジアもEUのような共同体を作るべきではないかと僕は感じていた。しかし現在は日本と中・韓との対立などがあり、そのような共同体を作るような機運ではない。そこで今回の「安全保障同盟」としてのTPPである。TPPは現在はあくまでも経済上の協定に過ぎないが、これをきっかけにして環太平洋地域の「軍事的な安全保障同盟」まで発展しなのかと僕は思った。今まで東アジア地域を一つにするという視点はあったが、環太平洋地域を一つにまとめ上げるという視線は僕自身を含めてあまりなかったのではないかと思う。

太平洋戦争は環太平洋間での対立であった。そのことからも環太平洋地域の共同体を成立させることは非常に意義があるのではないかと思う。もちろんその環太平洋地域には東アジアも含まれるわけであって、より広い地域を網羅できる。

現在のTPPには中国・韓国は参加していないが、オーストラリア・ニュージーランドのようなキーとなるような国も含まれている。これから環太平洋地域連合が共同で世界情勢に働きかけ大きな影響力を持つと、日本をはじめ環太平洋内のその他の国にとっても発展する転機となるかもしれない。

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