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ベンチャーの捨て身のアイデアに注目せよ

ここ十年くらい、日本でもベンチャー企業の重要性が認識されてきた。しかし、アメリカがベンチャー企業主義と言うならば、日本は大企業主義とでも言うのだろうか。

なぜベンチャー企業を注目し、支援をすることが大事なのか?おそらく日本では、どんな大企業も生まれたときはベンチャー企業であって、大企業の卵は大事にしなければならない、という考えが強いように思える。

しかし大企業とベンチャー企業の一番の違いは、企業の規模ではなくて起業精神ではないかと思う。大企業はどうしても保守的になりがちだ。しかしベンチャー企業は、資金を集めるためにも斬新なアイデアを打ち出していかなければならない。ベンチャーは現状維持では後がないので捨て身のアイデアを出してくる。その捨て身のアイデアこそ、未来の社会・技術の卵ではないかと思う。

しかし日本ではベンチャーとはいっても、大企業の二番煎じ三番煎じのアイデアが多いみたいだ。出資する側にしても、アメリカでは新しいアイデアに未来をかける意味でも捨て身の斬新なアイデアを評価するが、日本では前例がないといって鼻で笑う。そして結局、二番煎じ三番煎じ的企業が一時的には生き残り、そして潰れていく。

少し話が変わるが、日本では最近になってようやくホワイトハッカーの重要性に気づき、ハッカーの養成に国を挙げて支援をする策を打ち出した。しかしホワイトハッカーの重要性など外国では十年以上前から認識されており、アメリカなどでは国の中枢部にかかわっている。しかし日本では、ハッカーと言えばブラックハッカーのネガティブなイメージしかなく、その社会的イメージをずるずると引きずったまま最近までその重要性に気づかなかった。

最近の日本のハッカー養成の重点化においても、重要性を認識してという以上に、外国でハッカーが注目を浴びているからという、外からの要因が大きいのではないかと思う。所詮、この政策も二番煎じ三番煎じなのである

今日本で一番注目を浴びているベンチャー分野はITだが、ITも現在の技術であって未来の新技術ではない。本当に注目されるべきなのは、今は黎明期だが将来大きく伸びる可能性のある分野ではないだろうか。

20年前のITがそうだった。そして国内でもソフトバンクなどはそのころITに注目し、現在ITの旗手になっている。21世紀に入って注目しても所詮二番煎じ三番煎じなのである。

もちろんiPS細胞関連の医療分野など、日本発の誇るべき分野も存在するのは確かだ。そのような分野を増やすためにも、黎明期にあるベンチャー企業の捨て身のアイデアにも注目しなければならないのではないかと思う。

就職予備校化した大学

今は一月、受験の季節がそろそろ始まる。受験生は試験対策のラストスパートをかけているところではないでしょうか。

ところで以前から、現在の大学についておかしいと思っていることがある。今に始まったことではないが、多くの大学生・大学院修士課程生にとって、大学が就職予備校化していることである。

大学生にとって、就職活動は3年生の後半くらいから始まる。準備まで含めるともっと前から始めている学生もいるのではないか。

受験生は大学合格を目指して頑張っているのだろうが、大学に入学するとさっそく次はどの企業に入りたいかということに興味は移る。しかし、その前に打ち込むことがあるだろう。言うまでもなく、勉強・研究である。

大学は就職予備校ではない。学問の最高学府である。その最高学府である大学に入学し、授業料を払っていながら学問に打ち込まないのは、非常にもったいないことだ。

もちろん大学で学問に真剣に打ち込んでいる学生も多くいる。しかし、自分が大学生・院生の頃を思い返しても、専らの興味の関心は就職対策で、学問は二の次三の次という学生が多数いた。特に大学院修士課程は2年間の過程で、1年の後期から就職活動に打ち込み、研究に打ち込むのは実質的に入学してからの半年という学生も多かった。就職内定した後は用済みで卒業するために最低限のことしかしないという人も。

しかしこのような状況は、学生だけが原因ではない。大学側も就職率などというものを大々的に宣伝し、「就職力」というわけのわからない言葉を打ち出している。そしていわゆる一流企業と言われるところにどれだけ入学させるかということに躍起になっている。大学からしてこのざまである。このようなことはいわゆる旧帝国大学と言われるトップレベルの大学も例外ではない。

繰り返し言うが、まじめに勉強・研究に打ち込んでいる学生もたくさんいる。しかしその一方で就職活動に打ち込むことに明け暮れ、勉学に力が入っていない学生も多いのも事実である。

大学がそこまで「就職力」みたいなことにこだわり力を入れるのならば、いっそのこと就職予備校を作ってしまえばいい。あるいは就職大学と名乗った方がいい。

いま、大学に入ってこんな勉強・研究をしたいと夢を膨らませている受験生は、入学した後もその夢に打ち込み、そのうえで就職活動もうまくこなしてほしいものである。