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iPS細胞のもととなる細胞の作製に成功。iRS細胞とは?

京都大学再生医科学研究所のグループが、「再プログラム化中間細胞・iRS細胞」というものの作成に成功したというニュースが入ってきた。iRS細胞とはiPS細胞になる前の、iPS細胞のもととなる細胞だ。

iPS細胞は、山中ファクターと呼ばれる4つの遺伝子を細胞に注入し作成される。今回のiRS細胞は、その4つの山中ファクターを注入した後、その細胞がiPS細胞になりきる前の細胞のようだ。iPS細胞になる前の中間状態だから、中間細胞と呼ばれる。

このiRS細胞は、非常に扱いやすい性質を持つということで注目を浴びている。具体的には遺伝子操作がしやすい、そして非常に効率よくiPS細胞を作ることができるというものだ。

iPSとiRS、一文字違いで言葉は非常に判別しづらいが、iRS細胞はiPS細胞の赤ちゃんというところであろうか。

そしてこのiRS細胞の解析で非常に期待されているのが、(僕も個人的にかなり注目している)普通の細胞に山中ファクターを注入してiPS細胞ができるメカニズムの解明だ。現在、山中ファクターを注入するとiPS細胞ができる事がわかっているが、なぜその方法でiPS細胞ができるのか、その詳しい過程は現在でもわかっておらず、ブラックボックスとなっている。すなわち実験では知られているが、理論はわからないのである。

実用的には効率よくiPS細胞が作成できるようになるということで、iRS細胞によってiPS細胞による創薬、臓器作成などの治療などの臨床が早まることも期待できるのではないかと思う。

山中伸弥教授によると、iPS細胞の研究は日本の1勝9敗だという。しかし今回のiRS細胞の成功などのように、中核となる基礎研究では日本の底力を見せることができていると言えるのではないかと僕個人的には思っている。

これからのiPS細胞・iRS細胞の研究の発展、特に日本の研究グループの活躍に期待したい。

IS(イスラム国)が3500人以上を処刑。命っていったい何だ

ISで昨年の6月から1年ほどで3500人以上の人が処刑されたという記事を見た。彼らにとって命とはいったい何なんだろうか。

人の命は世界中のどこでも、いつの時代でも同じだ。そう思っている人は僕も含めて多いはずだ。しかし現実は違うようだ。IS支配地域では人の命は虫けらのように扱われている。そして北朝鮮でもそのようなことがされている話はよく聞かれる。そして我々も無意識のうちに人の命を差別化しているのかもしれない。アラブでのテロは一言で済ますのに対して、パリでのテロは何週間にわたって話題になる。

そして場所だけでなく、時代によっても命の重さは変わる。日本においても太平洋戦争中に特攻隊が結成され、自爆攻撃がされた話は有名だ。その時代、日本人は自国民の命を虫けらのように思っていたのかもしれない。

学校では「命は尊いものだ」と教えられる。しかし、なぜ命は尊いか、それを説明できる教師は少ないだろう。これは簡単に一言で説明できる話ではない。学校で生徒の自殺が起きた時、教師は「命は尊いから大切にしなければならない」と発言する。しかし僕にはそれが呪文、あるいは教師の免罪符にしか聞こえない。命の尊さは、何年・何十年とかけて認識していき、人間は成長していくのである。それを教師が一言で説明できると思うのは勘違いも甚だしい。

ISの話に戻るが、ISは殺りくを繰り返している。その現実は必ず断たねばならない。しかしその主な手段は現時点では空爆となっている。その空爆で欧米は無数のイスラム住民を殺りくしている。もちろんISの首謀者を攻撃しているという言い分はわからなくもない。しかしこの空爆という大量殺りくはどうかならないものかと多くの人は悩んでいるはずだ。空爆は善なのか、悪なのか、それとも必要悪なのか、答えは簡単に出せそうにない。

 

MRJ、初試験飛行に成功

11月11日、三菱重工・三菱航空機の旅客ジェット機MRJ(三菱リージョナルジェット)の初試験飛行に成功した。今までは陸上での試験走行が続いていたが、ようやく空に舞い上がった。今回の成功は国家プロジェクトとして、国産ロケットに次ぐ大きな前進となった。

ドラマ「下町ロケット」では、ロケット部品に対する高度な精度を要する技術が描かれているが、それはジェット機でも同じだ。空を飛ぶものは、わずかな欠陥が墜落という大事故につながってしまう。特に飛行機の場合は一つの事故が数百人の命に関わるとあって、認可を出す省庁も数年、あるいはそれ以上の年月をかけて慎重に慎重を期して審査を行う。

航空機の開発は一つの企業だけで完結できるものではない。MRJは三菱(ブランド)の製品だが、部品などを含めるとその産業のすそ野は広く、多くの中小企業が関わっている。ある部品は台湾で調達する予定であったが、台湾企業は根を上げ、結局日本の小企業が受け持つことになったという。

日本の中小企業が支える技術の精度は世界と比べても数段優れている。今までMRJの計画は何度もの延期を繰り返してきた。それによって失った信頼も小さくないであろう。しかしそれらの延期は信頼性を高めるための延期であったと思われる。2年後、機体が航空会社に納入され運行されたとき、MRJの信頼は不動のものへと変わることを願う。

MRJ(三菱リージョナルジェット)、いよいよ初飛行

11月11日、つまり今日、MRJ(三菱リージョナルジェット)が初飛行することが決まった。今まで5度の延期を経て、待望の飛行試験だ。県営名古屋空港から空へと飛び立つことになる。

MRJは三菱重工業・三菱航空機にとって、これから事業の根幹になるであろう最重要プロジェクトだ。現在、三菱重工の事業の核の一つとなっているロケット事業に続く航空宇宙産業で、失敗は三菱の威信にかけても絶対に許されない。

ロケット事業に関しては、現在テレビドラマ「下町ロケット」で取り上げられており、ドラマの中では帝国重工業という社名で中小企業の佃製作所とのやり取りが行われ、白熱している。

ところで今回の初飛行では、一般客の飛行場の立ち入りは、展望デッキも含めて一切禁止されるという。広く公開すればアピールの場として非常に影響力があると思うのだが、安全を期してということだろうか。それとも三菱側の自信が100%ではないということだろうか。とにかく市民にとっては残念である。

今回の日本初の純国産中型ジェット機の飛行は日本の念願でもある。小型ジェット機のホンダ、中型旅客ジェット機の三菱と、これから日本の航空産業の両翼を担い、成功することを願うばかりである。

MRJ(三菱リージョナルジェット)が離陸直前

現在、日本初のジェット機開発が大詰めを迎えている。三菱のMRJ(三菱リージョナルジェット)だ。そのMRJが現在、離陸直前の状態まで来ている。11月6日の空港での試験走行では、時速220kmまで出力を上げ、前輪が浮上する状態まで来た。

MRJの開発、走行試験は、途中延期を重ね、信頼性に対して疑問を呈する声も聞かれるが、何しろ日本初の純国産ジェット機の開発だけあって想定外の出来事が多かったことが予想される。現在はまだ1ミリも飛んだ実績がないわけだが、間もなく行われる飛行試験が成功すれば、二段階も三段階も開発が進歩したことになる。今月後半には飛行試験の結果は出ているであろうが、この国家の念願でもでもあると言える国産ジェット機の開発が成功に向かうことを願うばかりである。

三菱のMRJは、約100人乗りの中型ジェット機だ。現在それとは別にホンダが6人・7人乗りのプライベートジェット機を開発している。そちらの方も気になるところである。ホンダのプライベートジェット機はすでに空を飛んでおり、形式認証を経て市場に出るのを待っている状態だ。

日本と言えば車産業が盛んであるが、新たに航空機産業を国家産業の要として興せるか、今後の日本の産業技術に大きく影響する鍵となる。

航空機開発は一夜では成り立たないものである。三菱にしろホンダにしろ、20年以上の積み重ねの上で今日の開発にたどり着いている。航空市場は産業障壁が非常に高く、簡単に市場に参入できる分野ではないが、一度参入すれば永続的な市場供給が約束される分野でもある。

数週間後にはMRJの飛行試験の結果が出ている。今後の日本産業を支える分野として、飛行試験成功というニュースを聞けることを楽しみにしている。

iPS細胞の山中伸弥の目指すところは

MBSオンデマンドで、テレビ番組「情熱大陸」の山中伸弥iPS細胞研究所所長の特集を観た。ここ15年程、日本人研究者のノーベル賞受賞が続いているが、山中伸弥先生の存在感はその中でもまた別格の雰囲気を感じる。それはなぜか?その一つの答えが情熱大陸の中で見て取れたような気がする。

多くの研究者にとってノーベル賞は研究人生の頂点に違いない。しかし山中先生は違う。ノーベル賞は研究の通過点であり、これからのiPS細胞研究・医療においてノーベル賞受賞という肩書をいい意味でツールとして上手く使いこなしている。そういう意味で山中先生のノーベル賞の価値は、他のノーベル賞研究者のものよりも何倍も価値があるのではないかと感じる。

山中先生は今は研究者としてより、研究経営者としての役割を重要視している。彼の発見したiPS細胞研究をこれから発展させるには彼一人の仕事では大きく成し遂げられないことを山中先生は自覚している。そのため「研究経営」に徹して、より多くの研究者の力を利用してiPS細胞研究を大きく進めようとしているのである。

そして日本で生まれたiPS細胞の研究を、日本の技術として、メイドインジャパンとして大きく発展させたいという思いが山中先生にはある。

以前、山中先生は、iPS細胞研究において日本は1勝9敗だと言われていた。その1勝とは彼がiPS細胞を発見したこと。それからの発展においては全敗だということだ。

現在、iPS細胞の研究は国を挙げてオールジャパン体制で行われている。民間からの寄付も集まりつつあるという。そしてもうすぐ第三の研究棟が完成するという。日本発の発明で日本の技術として、これからのiPS細胞研究・技術が大きく発展することを願うばかりである。

追いつめられても絶対に倒れない。最近の近況

ここ最近のブログでは、社会・時事問題、そしてここ数日はノーベル賞関連の記事を書いていたが、少し一服として僕の近況を書いてみたい。

今日の午後、友人と年末年始にあるお笑いのR-1ぐらんぷりの予選に向けてネタを練っていた。しかし夕方になって一つ気になることがあった。この年末年始、またR-1は開催されるのか?確か去年の今頃は大会要領は発表されていたはずだ。そこで気になって主催者の吉本に電話をかけて聞いてみた。すると現在プロジェクトはないということなのである。(汗)。どうやらスポンサーが集まらないらしい。このことは去年から気になっていた。前々回は「東洋水産」という冠スポンサーがついて、正式名称は「東洋水産R-1ぐらんぷり」だった。しかし僕が予選に初参戦した前回はこの「東洋水産」が抜けていたのである。なのでその時から少し嫌な気配がしていた。とはいえまだ未定ということなのでわずかな可能性に期待しよう。

実は本当は今年から復活するM-1グランプリに出場したいのであるが、相方が人前に立ちたくないということでOKが出ない(汗・汗・汗)。M-1に出るのは僕の悲願でもあり、前回のR-1は出場自体が目標だったが、次にお笑い賞レースに出場するときは本気で勝ちに行きたい。勝てる見込みがなければ出ないつもりだ。

数理物理の研究や仕事のことで崖っぷちに立たされているが、どんなに極限状態でも絶対に挫折しないのが僕の取り柄である。失敗はしても挫折はしない。はっきり言って精神的にはいろいろきつい状態ではある。僕自身いろいろ悩むたちではあるが、挫折は死ぬまでしないつもりである。

今年もあと三か月弱、人生何が起きるかわからない。転機は突然やってくる。その時にしっかりチャンスをつかむためにも、日々コツコツと継続して努力することが大切である。

NHK「サイバーセキュリティーのトップスペシャリスト・名和利男氏」

9月14日(月)、NHKの「プロフェッショナル・仕事の流儀」で、サイバーセキュリティーのトップスペシャリストの名和利男氏という方を取り上げられていた。名和氏の仕事の様子を見ていると、スペシャリストの中のスペシャリスト、まさしくトップスペシャリストと呼ぶのにふさわしい男だ。

名和氏の「顧客」は主に省庁などの国の根幹にかかわる部分だ。省庁は常に海外のハッカーから狙われている。名和氏はそれらの対策を施し、攻撃者の身元を暴いていく。

ハッカーには悪意のあるブラックハッカーと、それらから身を守るホワイトハッカーに大きく分類される。しかし名和氏の仕事を見ていると、そのようなブラックだとかホワイトだというような画一的な分類に当てはめることはできないと感じた。自国に関してはホワイトでも、攻撃者に対してはブラックととらえられるだろう。名和氏は守るだけではない、攻撃者の先手を打つためにも攻撃者を先回りして攻撃を仕掛けることがある。名和氏はハッカーと言う言葉では括りきれない非常に高度で多様な仕事を仕掛ける。

もちろん攻撃者にとって名和氏は非常に厄介な存在だろう。名和氏自身が狙われる可能性も非常に高い。そのために自身の存在を非常に用心して隠している。それはサイバー空間上だけでなく、日常生活、あるいは外での行動もあえて遠回りするなど慎重に行っている。

それから余談だが、名和氏の使用していたパソコンはPanasonicのレッツノート、高度な信頼性を必要とする仕事をしている人のパソコンは圧倒的にレッツノートが多い。

今回の番組では名和氏をメインに取り上げられていたが、名和氏の仕事内容の関係上、非常にシークレットにしなければならないことが多く、こんなに大々的に取り上げていいものか、視聴している僕の方が心配になった。存在は大々的に明かせないが、いまのネット社会において名和氏は日本の根幹を握っている非常に重要な人物であることには間違いない。

MRJ(三菱リージョナルジェット)が10月に初飛行

三菱航空機のMRJ(三菱リージョナルジェット)が10月に初飛行することとなった。念願の国産ジェット機初飛行である。厳密にはホンダジェットが先を越しているが、国産中型旅客ジェット機としては初だ。

戦後日本はアメリカから航空機禁止令を発令され、航空機を作ることが禁止されていたが、40年前のプロペラ機開発を経て念願のジェット機だ。飛行機の重要部分は三菱重工業が受け持つが、繊維会社のハイテク機材は見逃せない。この日本のハイテク機材の開発によって日本はボーイングの機体製作に関わり、航空機開発のノウハウを蓄積していった。

受注の方も順調にいっているようだが、計画の遅延により不安の声もきこえなくもない。MRJの開発は半オールジャパンとでも言っていいのではないか。

10月の初飛行は楽しみでもあり、ロケットの打ち上げ時のような緊張感をもたらす。MRJが日本の製造業再興の起爆剤になればと願うばかりである。

批判だけが能じゃない

物事を考えるうえで批判精神は重要である。考える学問・哲学でもカントの有名な三つの書物は「三大批判」と言われている。しかし日常生活で全てのことを批判する人などいるであろうか。

しかし政治の世界では基本的に野党は与党のすることは全て批判することになっている。そのような考え方は、政府与党の政策に対するチェック機能になっており必要なことでもある。しかし政党に所属する議員すべてが同じ考えを持っているなどあり得るはずがない。しかし政党とは集団そのものが思想を持つものともいえるので、個の思想はある程度無視されるのかもしれない。

とはいえ、与党も野党もある程度平等な視点を持つことも大事ではないかと思う。おかしいと思う案に対しては思いっきり反対すればいいが、理にかなった案は与党野党関わらず認める姿勢も必要ではないかと思う。それが大人の政党というものではないか。

日本共産党の存在自体を否定するつもりはないが、与党のすることなすこと全てに反対だとわめくのは、それはもう幼稚園児野党とも言えるのではないか。そこには思想など全くなくて、ただ与党に反逆することだけが生きがいだという姿勢しかない。

ただ初めから否定することを決めているのは楽だが、平等な視点で批判することはかなり難しい。同じ批判でもこの二つを混同してはいけない。これは子供と大人の違いである。

理にかなったことには賛同し、おかしいことには批判する、これが本来あるべき姿だと思うが、実際はこれがなかなかできないのである。