投稿者「木原 康明」のアーカイブ

安倍首相が長期政権へ意欲

安倍首相が都内のホテルで日米の政財界の要人を招きスピーチした。そこで次回のアメリカ訪問では「中部・西部を訪れたい、そのためには政権を維持しなければならない」と長期政権への意欲ともとれるような発言をした。

安倍首相の長期政権化には賛否両論があるだろうが、僕は今のところ賛成だ。理由はいろいろあるが、安倍政権前の第一次安倍政権を含む六政権がすべて1年で崩壊し、その負の影響をもろに見てきたということも一つあるかもしれない。それからアベノミクスも順調に行っているとはいえ、道半ばである。最近はアベノミクスを否定する意見も聞かれ、それを安倍氏がどう乗り切るかも見ものである。

国際的にも様々な問題を抱え、その対処に追われる安倍政権にとって、今政権を放棄すればその努力が水の泡である。特に中国・韓国問題に関しては改善の兆しがわずかに見え始めてきていると僕は思うが、それも安倍首相が感情的にならず、冷静に粘り強い対応を続けてきた結果だと思う。

安倍政権が誕生した時、正直不安であった。第一次安倍政権が健康不安という形でわずか一年で倒れ、いわば政権を投げ出した形になった安倍氏が、再び政権を担当しても大丈夫なのだろうかと。むしろ石破氏の方に期待していた。しかし安倍氏はいい意味で期待を裏切ってくれた。このまま安倍首相の積極的で粘り強い政治を突き進んでほしいものである。

イギリス総選挙の結果が明らかに

イギリス総選挙の開票が行われた。その結果、保守党が過半数を獲得し、労働党が惨敗した。その一方、スコットランド国民党が躍進したみたいだ。

スコットランド国民党はスコットランド独立を主張しており、昨年のスコットランド独立をめぐる国民投票では独立は否決されたが、スコットランド国民党の躍進によってまたスコットランド独立の機運が高まるかもしれない。

過半数を獲得した保守党はEU離脱を判断する国民投票の実施をマニフェスに掲げており、今回過半数を獲得したことにより国民投票の実行は確定的になった。

スコットランド問題にしろ、EU離脱問題にしろ、イギリスは独立路線を加速しつつあるように思える。独立と言えば聞こえはいいが、一歩間違えれば孤立につながる。そのような路線に突き進むのはイギリスの島国思想が原因なのかもしれない。

地理的環境はイギリスと日本は非常に似ている。四方を海に囲まれた島国である。イギリスのたどる道は将来の日本の道になる可能性も高い。EU離脱への道をたどるイギリスは、東アジアの中で経済的・政治的に多少特殊な立ち位置にある日本と重なる。日本は東アジアにあって、経済的・政治的にはヨーロッパ的なのである。

ギリシャ金融問題に端を発したEU問題は、イギリスのEU離脱で第二弾に突入していくのかもしれない。

イギリス総選挙

イギリスで議会の総選挙が始まった(8日午前0時現在)。今回のイギリス選挙の注目は、二大政党制が崩れるのではないかということである。主要先進国では二大政党制がメインな国が多い。イギリスの保守党・労働党、アメリカの民主党・共和党。二つの拮抗する大政党が議論を戦わせ政策決定をより良いものにするのには良い体制かもしれない。

ところで日本も二大政党制を目指した時期があった。数年前の民主党政権である。民主党政権発足時には、アメリカ・イギリスのように日本でも民主党・自民党の二大政党制が機能することが期待された。しかし結果はご存じのとおりである。民主党にはさまざまな問題があったが、一番の原因は歴史のなさであろう。歴史がないことは人材がそろわないことにつながる。トップである総理大臣も稚拙であった。

今回のイギリス選挙では二大政党以外の政党の躍進に注目が浴びている。その原因は、スコットランド問題、EU離脱問題で世論が多様化したことにあるのだろう。特にEU問題では最近何かと話題になるのはギリシャ経済問題。ギリシャの半財政破たん状態が他のEU諸国の足を引っ張る形になっている。イギリス市民もそれに辟易しているのだろう。ちなみにイギリスはEUには名を連ねているものの、通貨はユーロではなく独自のポンドを維持している。これもEU離脱の壁の低さになっているのだろう。

今日の午後には大勢が判明しそうだ。イギリスは政治先進国である。現在の先進国・民主主義国の政治モデルはイギリスにある。イギリスの政治体制の変化は他の国に与える影響も大きいと予想されるだけに注目を浴びるところであろう。

ネパールの人々の清き心

ネパール大地震からもう一週間以上たった。もうがれきの中の生存者はいないと思われることから、現在はけが人・病人の治療、そして援助物質の支援が中心となり、これからはインフラ設備の復旧に取り組むと思われる。

ところで東日本大震災の時に被災者の秩序だった行動、具体的に言えば略奪暴動が起こらなかったことが世界で注目を浴びた。しかし今回、それは日本だけではないことがわかった。ネパールの被災者も略奪暴動を起こすことなく、支援物資の受け取りの列には千人の人が割り込みもせずに並んでいるという。ネパールの人々は他人の助けを当てにするわけではなく、自分たちでできることは自分たちで乗り切ろうという気概があるらしい。

ネパールの豊かさの指数は、世界187か国中145番目だ。一言で言えばかなりの貧困国である。しかしネパールの人々の心は透き通っている。この清き民族に対して日本は何ができるだろうか。僕には何ができるだろうか。微力ながらできる事は何かしらあるはずだ。しかしわずかな手間が面倒くさくて結局何もやらずに過ごしてしまう自分が情けない。

経済発展も重要だが、人間にとってもっと大事なことがあることを、ネパール民族に再確認させられた。

リニアの最高時速更新

もう数日前になると思うが、リニアが最高時速603km/時の世界新記録を樹立した。ここ十年以上500キロ台を維持していたが、なぜこれまで速度の向上が見られなかったか不思議に思う人もいるだろう。

僕がまだ子供の頃、したがって30年近く前からリニアモーターカーの実験はすでに始まっており、赤いリニアの車体は子供の憧れの的だった。その頃はあと数年で実用化されるものだと思い込んでいた。しかしそれから30年経ってやっと建設計画の実行が決まった。なぜこんなに時間がかかったのか不思議であるが、念には念を入れて安全性に取り組む姿勢と、騒音対策などがネックとなっていたのだろう。

ところで現在世界で一か所、リニアによる高速運行がなされているところがある。上海だ。上海の市街地から空港までの短い距離だが、時速400キロメートルの速さで市街から空港まで約7分間で結んでいる。技術的には日本と中国ではかなり違う方式でされているものと思われるが、なにはともあれ世界で初めてリニアの高速運転実用化に成功したことには目を見張るものがる。

さて日本のリニア計画だが、工事前から難問山積みである。一番懸念されているのがトンネル工事だ。トンネルの長さに加え、アルプスの下1000メートルを貫く工事に苦戦が予想されている。安全第一の日本の高速鉄道、工事も安全第一で一人の死者も出さなかったと言われる工事にしてほしいものである。

世界遺産登録勧告

「明治日本の産業革命遺産」というテーマに関する遺産について、世界遺産登録勧告が行われた。具体的に言うと、明治維新からその後数十年にかけての日本の産業革命に重要な役割を果たした遺産だ。有名どころでは、官営八幡製鉄所などがあるが、明治維新の原動力となり、明治国家成立に大きな役割を果たした「松下村塾」も入っている。

また、三菱重工業長崎造船所の数施設も含まれており、これも明治産業に大きな役割を果たした三菱創業者、岩崎弥太郎の精神も重要視されている表れであろう。

毎度のことながら、韓国がこの世界遺産登録勧告を非難しているが、そのことについてこれ以上書く価値はない。

今回の世界遺産候補を見ると、九州から山口(特に長州の萩)に集中していることが目につく。やはり明治国家躍進の原動力は薩摩から長州山口にかけてがその中心であったということであろう。それから最近話題の軍艦島もリストの中に入っている。

戦後の、made in japan という用語に代表される日本の高品質製品だが、明治時代の日本製はまだ「安かろう悪かろう」というものが多かったらしい。しかし工業製品をはじめ、着々と品質の向上を努め、第二次大戦という断層があったもののその精神は受け継がれ今の経済大国日本が存在する。

今回の明治の産業革命遺産は現代の経済大国日本の原点と言えるのかもしれない。

MRJ社長交代

4月の終わり、三菱航空機(三菱リージョナルジェット、MRJ)の社長が交代した。ここ数年、MRJの初飛行・納期が幾度も遅れ、親会社の三菱重工業がしびれを切らしたものと思われる。MRJは世界に打って出る宿命を持っている。そこで新社長に就任したのが、主に海外進出を担当した三菱重工役員だ。

数年前まで、MRJの未来は非常に明るいものだった。しかし度重なるスケジュールの延期により、海外他社の開発が追いつき、MRJのアドバンテージがなくなってきており、現在は危機的状態にある。しかし良い見方をすれば、それだけ性能と安全性に念には念を入れているともいえるので、納入した後の評価次第では挽回できるかもしれない。

航空機事業では、今三菱だけではなくホンダも注目を浴びている。MRJが100席ほどの中型機に絞っているのに対し、ホンダジェットは7人程度のビジネスジェットである。ホンダジェットはエンジンを両翼の上に配置し、流体力学的に非常にバランスのとれた構成をとることに成功し、見かけの美しさとともに非常に高い評価を受けている。エンジンを両翼の上に置く(普通は下に置いている)という常識破り的な発想も、常に未来を開拓していくホンダマインドが発揮されている。

MRJとホンダジェットは今対照的な立場に立っているが、10年後には両社順調に飛行し、安定飛行を続けていることを願うばかりである。

第五の戦場

以前、戦場と言えば、陸・海・空の三つに分けられていた。それに第四の戦場として宇宙が加わり、今最も注目を浴びているのが第五の戦場「サイバー空間」だ。

サイバー空間とはわかりやすく言えば「ネット上の空間」。しかしネットと侮るなかれ、ネット上のサイバー攻撃一つで核ミサイルの発射だってコントロールできるのだ。すなわち現在の世界の人間の命はサイバー上につるされていると言っても過言ではない。そのサイバー空間上で攻防を繰り広げているのがハッカーだ。

ハッカーと言えば日本では悪い奴らというイメージがあるが、そのような認識は短絡的だ。ハッカーには大きく二つに分けられる。ホワイトハッカーとブラックハッカーだ。悪い奴らというイメージのあるのはブラックハッカーのことだ。ブラックハッカーは他人、あるいは他国の情報システムに潜入し、攻撃を仕掛ける。それに対してホワイトハッカーはブラックハッカーからの攻撃を防ぎ、守ることに日夜費やしている。ホワイトハッカーなしでは現在のネットの安全性は保障されないのだ。

先ほど述べたように日本ではハッカーに対して悪いイメージが先行したため、ホワイトハッカーの養成に大きく後れをとった。今日本ではホワイトハッカーの養成が緊急課題になっている。

日本国土が陸・海・空自衛隊によって守られているのに対し、サイバー空間はホワイトハッカーによって守られているのだ。ホワイトハッカーが守っているのは主に企業・省庁・国防関係のサイバー空間だが、一般市民が安心してネットを使えるようにするためにもホワイトハッカーには頑張ってほしいものである。

iPS再生医療は着々と進む

iPS細胞が山中伸弥教授に発見されてから8年になろうかとする。以前は基礎研究が主流だったiPS研究も、今では着々と臨床応用研究に入ってきている。理化学研究所の高橋政代博士が眼の網膜のiPS細胞からの移植に成功したことは記憶に新しい。最近ではiPS細胞研究所の高橋淳教授が進めているパーキンソン病の臨床研究が注目を浴びている。この二人は実は夫婦でもある。

iPS細胞が発見された当時、その基礎科学的重要性は瞬時に世界に伝わったが、数年でここまで臨床に応用されるとは思わなかった。生命科学の門外漢の僕にとっては、iPS細胞の科学は非常に魅力的に映ったが、医学的展望に関してはほとんどと言っていいほど理解できなかった。こうして現実に臨床が行われるにつれ、重要性が伝わってくる。

この様に全く新しい基礎研究がこんなにも早く一般に応用される例も非常に珍しい。改めて山中教授の凄さに驚かされる。世界を見渡しても、基礎から応用まで幅広く研究し、しかもどれをとっても最重要な研究ばかりだという例は、今では世界を見渡しても山中教授くらいではないかと思う。

山中教授、そしてそのグループ、それらの日本の組織のさらなる躍進を願わずにはいられない。

安倍首相の米両院議会での演説について

日本時間30日午前零時、安倍首相がアメリカ両院議会で演説した。日本の首相としては初のことだ。その演説の全日本語訳を日経新聞でじっくり読んでみた。

内容は過去の大戦に言及する一方、非常に未来志向な内容であった。特に日米同盟に関しては強固にしていくことを強調し、「希望の同盟」と名付けたのが印象的だった。これからの世界平和を日本とアメリカが導いていこうというメッセージにも聞こえた。

もちろんこの演説内容に対して反対する人もいる。中国・韓国系の人とそれに呼応するアメリカ人だ。彼らにとっては内容など何でもよかったのだろう。何を言っても拒絶したであろう。そのような人たちの顔色をうかがっても仕方がない。

安倍首相は安全保障の面で、アメリカと強力に連携していくことを誓い、それに向けての法案成立を約束した。いわゆる国際公約というものだ。この自衛隊と米軍と協力関係についてもかなり重点が置かれていた。

今回の演説は、日米の過去の歴史、現在の国際政治、未来の方向性についてかなりわかりやすく述べられている。この演説で述べられたような「理想の未来」がやってくることを、僕も切に望む。