日別アーカイブ: 2019年5月20日

人に迷惑をかけていいという発想。

日本人は、いや、日本人だけではないかもしれないが、人に迷惑をかけてはいけないという意識が強いように感じる。もちろん、迷惑をかけないに越したことはない。そして出来るだけ人に迷惑をかけないで生きるぞと思うことは非常にいいことだ。しかし、そのような「人に迷惑をかけてはいけない」という意識を他人に過度に押し付けるのは問題であるように思う。迷惑をかけてはいけないという意識の押し付けが、その人を追い詰めることがあるからだ。結論から言うと、ある程度の迷惑はかけても良いと思う。それぐらいの社会的ゆとりは許さなければならない。

なぜある程度の迷惑はかけてもよいのか?それは多少迷惑をかけても良いという意識が、それ以上のメリットをもたらすからだ。特に創造的な活動を行っている人は、どうしてもある程度の迷惑をかけることは避けられない。そこで絶対に迷惑をかけてはならないと制約を付けてしまうと、何の結果も出せなくなってしまう。小さな正義にこだわる人は、大きな正義が見えないのだ。結局、人に迷惑をかけてはならないと押し付けることが、周り巡って自分にダメージとして帰ってくる。物事とは大局的に捉えることが重要なのである。

自分本位の考えではなく、もっと幅広く思考してみることが大事だ。そうしてみると、ある程度の迷惑はかけてもよいのではと思えてくる。自分も少しくらい迷惑をかけられてもよい。人に絶対に迷惑をかけてはならないという思考は、自分には絶対に迷惑をかけるなという思考の裏返しなのである。従って、絶対に迷惑をかけてはならないという思考は、非常に自分本位な思考なのである。この様な考えをしていると、何でも自分のためと思考が進み、他人を助けることが出来なくなる。

最近、人が困っていても助けないという人が多くなったとよく聞く。そこで助けないとは、そのことに関わらないということである。関わらなければ、そこで責任は生じない。従って、自分がその人に迷惑をかけていないという事になる。果たしてそれで良いのか?このように考えると、多少の迷惑をかけても良いという意識が社会の中にある方が、世の中ははるかに良くなるのではないかと思えてくるのだが・・・。