月別アーカイブ: 8月 2015

魚にも論理的思考能力

とあるニュースで、魚にも論理的思考能力があるという記事を見た。具体的には、AがBよりも強い。BがCよりも強い。ならばAはCよりも強いということを認識できるそうだ。実際に実験して確かめられたらしい。

高度な論理的思考能力は人間の特権だと思われていたが、単純な思考能力なら魚にもあるということだ。大げさにいえば魚にも小さな知性があると言えるのかもしれない。

海の中は魚にとってサバイバルだ。食うか食われるか。人間社会よりもシビアな世界かもしれない。そのようなサバイバルの中を生き残るために論理的思考能力を身に付けたと考えれば自然なことなのかもしれない。ダーウィンのいうところの「自然淘汰による進化」というところか。

ならば気になるのが、生物の階層の中で論理的思考を持つか持たないかのラインはどこにあるのかということである。はたして最下層に近いアメーバなどにもわずかながらでも論理を認識できるのか。

しかし論理で考えているのか本能なのか、その識別は難しい。さらにいえば本能も論理によって突き動かされているともいえる。微生物が臭いを検知してエサのある場所までたどり着くのは本能だと言えるが、その本能ははたして論理によって導かれたものだろうか。

こんなことを考えていけばもう概念の線引き自体が怪しくなる。少なくとも言えるのは、このような、論理があるかないかということが気になるのは人間だけだということだ。

大学発ベンチャー企業

ここ十年ほどだろうか、大学での活動がきっかけとして設立された企業、大学発ベンチャー企業が活発だ。しかしその内容は大きく変化しているらしい。というのは、十年ほど前ぐらいは大学発ベンチャー企業は主に私立大学がメインだったのだが、ここ五年ほどは国立大学の躍進が大きいのだ。その原因はベンチャー企業の内容が変化しているからだ。私立大学メインだった10年ほど前は大学発ベンチャーといえばIT関連がほとんどだったのが、最近は生命科学・医学分野が大きく勢力を伸ばしているのだ。

ITがメインだった頃、ITの性質上、個人や小規模的つながりであってもアイデア一つで勝負に出ることができた。それに対して生命科学・医学分野は大学での研究と直結しており、また内容が専門的かつ高度なため研究に重点を置いているトップレベル国立大学が非常に有利になったのである。実際東大・京大がベンチャー企業の数を大きく伸ばしている。

IT社会と言われて久しいが、ITブームも少し一段落したこともあって大学発ITベンチャーも落ち着いてきたのであろう。それに対して生命科学・医学関連はここ十数年ほど激動とも言われるような大きな動きがあった。まず21世紀初めのヒトゲノム(人の遺伝子情報)の解析が完成したことであろう。その結果が最近実用にも応用され遺伝子検診などのサービスなどに結び付いている。

さらにもう一つ見逃せないのが、京都大学の山中伸弥教授によるiPS細胞の発見であろう。iPS細胞の発見は直接的・間接的に生命科学・医学分野を大きく触発し、この分野の実用にも大きく影響を与えている。iPS細胞自体の直接的な実用への応用は最近始まったばかりで、理化学研究所の高橋政代研究員の網膜の再生への応用が臨床段階に入ったことが記憶に新しい。iPS細胞は限りなく大きい潜在歴能力を秘めており、これから10年、20年かけて爆発的な応用的成果を上げることが予想される。

僕がいた名古屋大学でも小規模ながらベンチャーをサポートするような機関があり、これからどのような成果が出るか気になるところである。

朴大統領の妹・朴クンリョン氏

今、韓国国内で朴大統領の妹、朴クンリョン氏が物議を醸している。日本人もびっくりすることに、日本擁護ととらえられる発言を繰り返しているのだ。今の韓国内で日本擁護的発言ができる人はこの人しかいないだろう。

具体的には、

「天皇が謝罪しているのに、首相が変わるごとに謝罪を要求することはない」

「靖国問題に韓国が口出しすることは内政干渉だ」

「慰安婦は韓国国民が面倒を見るべきだ」

などの発言だ。この様な発言をしたのが朴大統領の妹とは日本人としても信じられない。なぜここまで親日的発言を繰り返すのだろうかと思うが、一つの理由として朴大統領への反発があるようだ。朴大統領とクンリョン氏の関係は良好ではないらしい。

しかしこの様な発言は冷静に考えると全く当たり前のことであるが、今までの反日運動を見てきて日本人である我々も感覚が麻痺している。

もちろんクンリョン氏が親日だからと言ってどうなるということではないが、半独裁状態の朴政権の首領朴大統領に真正面から物を言えるのはクンリョン氏しかいないかもしれない。

今の反日一色の韓国情勢を一気に変えることはできないが、クンリョン氏が何かのきっかけになるかもしれないと淡い期待を持ってしまう。

磯崎首相補佐官の発言について

先日、磯崎首相補佐官が安保法案に関して「法的安定性は関係ない」と発言したことが物議を醸している。周りの人間からしたら、それを言っちゃおしまいよ、というのが本音であろう。この発言は議席多数を獲得した安倍首相近辺の気の緩みとしか言いようがない。今いかに法的に問題なく安保法案を国民に納得させようとしているところにこの発言、安倍首相サイドにとっても痛い発言だろう。

僕は以前に安保法案に関して、法案の中身は納得できるが、改憲という手続きを取らないで国民不在で法案を通そうとしているところに問題があると言ってきた。集団的自衛権に関しても懇切丁寧に国民に説明すれば国民も納得できない話ではないはずだ。今まで海外派兵に関してはイラクなどのような遠隔地がほとんどだった。しかし今の仮想敵国は中国だ。中国は隣国である。何かあれば確実に日本は直接巻き込まれる。そこがイラクなどと決定的に違うところだ。

日本国内のメディアはどちらかというと韓国の反日運動を取り上げようとするが、中国問題は韓国問題の比ではない。何しろ中国問題は量的にも質的にも桁違いだ。もちろん今回の安保法案の表向きの趣旨はISIL(イスラム国)などに対する対テロ戦争を想定してということになっている。しかし安倍氏をはじめとする政府の本心は対中国を想定してのことである。しかし表だって中国を仮想敵国だと表明することはできない。国民もその辺の阿吽の呼吸を読み取るべきだ。

とは言え、今回の磯崎首相補佐官の発言は、立法を掌る政治家の発言として明らかに軽率すぎるものであることは言うまでもない。