歴史認識問題

今年は第二次世界大戦終戦70年目にあたる。そして四日前の1月27日は、ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺の舞台となったアウシュビッツ収容所解放70周年の日だった。ドイツではアウシュビッツは負の遺産として決して忘れてはならないものとして、強く記憶に残されている。

中国・韓国はそれぞれ、南京大虐殺・従軍慰安婦問題をナチスと重ねて問題化しようとしている。日本の見解によると、中国の主張する南京大虐殺の殺害数は大きく誇張されていると言われ、慰安婦問題は事実と異なると言われている。

おそらく文献や文書などの記録に基づく主張だとは思うが、70年後の現在に生きている我々には正確な事実は直接にはわからない。しかし日本と中韓の政府・国家の信用度を考えると、90%日本の主張が正しいとは思われるが、真の事実は当時の当事者しかわからない。あるいは当事者などいないかもしれない。

しかしこれだけ事実とは異なる可能性の濃い事象が広く伝わったのは、日本政府の主張が弱すぎること、そして中韓の強力なロビー活動によるものというのが一般認識だ。特に韓国のロビー活動は有名で、韓国ではノーベル賞が取れないのはロビー活動が弱いからだという意見もあるくらいだ。

話は少しそれたが、歴史とは過去の問題なので、現在に生きる人間にとって正しい歴史認識を持つことは難しい。またその人、国の立場によって歴史解釈は変わってくる。真実は一つでも、解釈・認識は一つではないのだ。

最近になって、日本政府はようやく自国の歴史認識について主張し始めた。遅きに失したという感は否めないが、何もしないよりましだ。日本の、外交の振る舞いに対する美意識は、海外では通用しない。日本の文化を否定する気は全くないが、外交においてはグローバルに通用する日本流を確立していかなければならない。

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