少年法をめぐって

最近、少年法、つまり19歳以下の少年少女が犯罪を犯しても罪が問われないというこの法律についての是非が問われている。この問題のきっかけになったのは、最近の少年少女犯罪、特に名古屋大学女子学生(当時19歳)による殺人事件と、「サカキバラ」事件の少年Aについての動向であろう。

名大女子学生による殺人事件では、犯行後、犯人の女子学生がツイッターで「ついにやった。少年法マンセー(万歳)」と書き込んだという。すなわち少年法を盾にして罪が問われないことを計算して行われた計画的犯罪であると言える。まさしく少年法の趣旨が裏目に出た形だ。

そしてサカキバラ少年Aでは、被害者を無視した手記の出版、そしてホームページの立ち上げが問題視されている。

少年法の趣旨は、19歳未満の少年少女による犯罪では罪を問うのではなく、教育による更生をもって社会復帰を助けるという、いわば加害者保護法である。そしてそれには教育によって必ず更生できるという前提がある。少年Aの場合は、手記・ホームページ共に被害者感情を逆なでするものではあるが、再犯を犯した訳ではなく、少年法が効果がなかったと判断するのは早計であろう。

しかし、名大女子学生事件では、少年法がまさに「悪用」されたとしか言いようがなく、少年法の是非が非常に議論になるところであろう。

20歳を境目に天と地ほど変わる少年法にはもちろん問題は山積であるが、その解決の一つとして少年法の柔軟な適用が考えられるだろう。20歳で一様に分けるのではなく、特に18歳・19歳あたりの犯罪者に対しては少年法を適用するかどうかケースバイケースにするのである。名大女子学生事件の動機を見ると、そうせざる負えないだろう。ただしその判断を誰がどうやって判断するか、もちろん裁判官が判断するのであろうが、難しい問題であろう。

少年法は選挙権と連動している。選挙権が18歳以上になれば少年法適用も18歳未満になるであろう。選挙権は大人であることを示すものである。選挙権年齢が議論されている現在、少年法も合わせて国民全体を巻き込んだ議論が望まれる。

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