小保方氏とは何だったのか

最近、STAP細胞騒動の張本人小保方氏が論文を雑誌に載せるのにかかった60万円を理研に返却したという報道があった。この騒動が60万円で済むわけがない。理研としても「形として」ということであろう。一言で言えば「ポーズ」である。

正しいことを証明することはできても、間違ったことを証明するのは意外と難しいものだ。小保方氏の疑惑についても99%嘘だと思っていても残りの1%はどうだ、と言うことになる。

数学ではこれは意外と簡単だ。理論が正しければ正しい、間違いがあれば正しくないということである。とは言ってもアンドリュー・ワイルズがフェルマーの大定理の証明論文を提出した時には、数グループに分担した検証グループが1年以上かけて判定した。とはいえ、このような例は数学でも例外的な部類に入る。

話は小保方氏に戻るが、多くの若手研究者は研究ポストに就こうと必死に努力している。その中でも正規のポストに就けるのは一部だ。時間もかかる。お金もかかる。小保方氏は理研の正規のポストに就き、年収は1000万円だったと言われている。記者会見の時には立派な指輪が話題になった。今考えると本当に強い憤りを感じる。

研究者として成功するには非常に困難ないばらの道を歩まなければならない。その途中で自殺する研究者も多いと言われている。小保方氏への社会の対応と、研究者への厳しい試練双方に何ともやるせない気持ちを感じてしまう。

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