体内時計のずれ

早稲田大学の研究グループのマウスによる実験により、マウスにストレスを与えると体内時計が大きく狂うことがわかったみたいだ。特に就寝前のストレスに対しては顕著な結果が出たみたいだ。マウスによる実験で出た結果は、同じ哺乳類である人間でも類似の現象が言えることが予想される。

現代の社会がストレス社会と言われて久しい。多くのサラリーマンにとって、毎日決まった時間に起き、決まった時間に寝、しっかりした睡眠をとることは必須だ。しかし実際にそれを実行するのは意外に難しい。もちろん個体差はあるので、それが容易にできる人とできない人がいる。

僕の話になるが、僕は睡眠のリズムが全く取れない体質だ。睡眠障害というより睡眠リズム障害と言ったほうがいいかもしれない。短時間睡眠の翌日長時間爆睡してまた眠れない、また寝ないといけない時に眠れなくて、起きていなければならない時に寝てしまう。そのため周りからは人に合わせろと責められストレスもたまる。もしかしたらそのストレスも睡眠リズム障害の一因なのかもしれない。

睡眠の科学は非常に深く、現段階の睡眠に対する研究は表面的なものだ。今回のマウスの実験でも体内時計という言葉を使って説明しているが、そもそも体内時計というもの自体が現段階では怪しい存在だ。

簡単に推測できることだが、睡眠は脳の機能に大きく関わっていると思われる。しかし脳の研究が本格的に行われ始めたのは1990年代からだ。日本の理化学研究所の脳科学研究センターもそれくらいの時期にできたのではないか。

脳は生命科学に最後に残された広大なフロンティアだ。脳の科学についてまだわからないことは膨大にあると思われる。もしかしたら1%もわかっていないかもしれず、また最も根本的な機能のかけらも認識されていない可能性もある。

21世紀の生命科学である脳科学の進展を日本の研究者がたくましく開拓していく姿を見ていきたいものである。

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