ブランド作りが下手な日本

日本はいろいろな物作りで高品質な一級品を作っている。品質に対しての世界からの評価も一級だ。しかしそれをブランドに昇華させるのが下手といわれている。品物は一級。しかしブランド力は二級三級なのである。

しかし最近は日本国内でもブランド作りの重要性が認識されだして、ようやくブランド作りに力を入れだしてきたように思う。

今までは海外からブランドのライセンスを借りて、日本国内で作るという手法が多かった。特にファッションではその傾向が顕著だった。

最近ではバーバリーブランドの行方が話題になっている。今までは日本の三陽商会がバーバリーのブランド使用ライセンスを借りて、国内で作られた物をバーバリーブランドで売っていた。バーバリーブランドのメインとなるトレンチコートは10万円前後。しかし本家本元のイギリスバーバリー社のトレンチコートは20万円以上する。もともとバーバリーとはラグジュアリーブランドなのである。しかし日本国内では三陽商会の戦略で一般ブランドという位置づけで売り出し成功してきた。

しかしバーバリーブランドが日本国内で広く認知されると、本家のイギリスバーバリー社は三陽商会へのライセンス貸与をやめ、自らラグジュアリーブランドとして日本国内に乗り込んできた。

三陽商会はバーバリー戦略で大成功を収めたとはいえ、自社でブランドを作り上げることを全く怠ってきた。そこで次に出た戦略はマッキントッシュロンドンのブランドの借り上げである。以前と同じ手法を繰り返してきたのである。

良い物を作れば必ず売れる。日本人は今までそう信じてきた。しかしその日本は世界でも一、二を争うほどのブランド消費大国となり、海外のブランド製品が世界のどの国よりも売れている。

それはファッションだけではない。車などもイタリア、ドイツ、イギリスのものが同等性能の日本車より上にみられ、プレミアがついている。最近になってようやくトヨタのレクサスブランドがプレミアブランドと認知されだしてきた。

多くのブランドにはブランド料なるものが上乗せされ、それを嫌う人も多い。しかしブランドとは信用なのである。ブランド料はその製品に対する信用の対価なのである。したがっていくら良い物を作ってもブランドは一日一年ではできない。ブランドを作るには時間をかけて信用を積み重ねるしかないのである。

もちろん意識的にブランド構築に取り組まないと「日本は良い物を作るけど・・」としかならないのである。

日本製品は底力はある。品質も一級品だ。ブランドを作り出す素地は出来上がっているのである。日本製品をグローバルに売り出すには、後はブランド戦略だけである。

いま日本のブランド戦略は序章である。このブランド戦略が成功すれば日本の産業はよりゆるぎないものになる。そして日本なら必ずその戦略を成功してくれると思う。

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