トヨタの莫大な利益と、下請け会社

昨日、トヨタの三月期の決算が発表された。それによると、2.7兆円の利益が出るそうだ。膨大な額である。ギリシャの国家予算に匹敵する額である。

もちろん日本企業がうまくいくことはいいことだが、昨日のこのトヨタの利益に関するニュースに対する扱いに対して違和感を感じた。トヨタ本体の莫大な利益を下請け企業にも還元しなければならないという弱い論調の一方、そんなことしたらトヨタ本体の利益創造体質が弱くなり良くないという論調が目立つことだ。

とんでもない。トヨタがここまで利益が上げられるのは、一番は円安効果、それから倹約によるものだが、それに匹敵するくらい下請け孫請け部品メーカーに対するコスト削減要求によるものだ。

デフレ不景気の時代、トヨタはこれらの部品メーカーに対し、無茶ともいえるコスト削減を迫り、倒産寸前、あるいは倒産したメーカーも多々あったと聞いている。ならばトヨタ本体に莫大な利益が出た今、まずこれらの下請けメーカーに利益還元することが先ではないか。

トヨタ本体の自分たちだけ良ければいい主義、それに大企業だからと同調するマスコミ。本当にトヨタ本体だけ良ければいいのか。下請け孫請けまで含めて一つの自動車グループと見るべきではないのか。

デフレ不景気の時代、トヨタ本体よりさらに厳しい状態だった下請け孫請けメーカー。マスコミや評論家も、これらの下請け企業まで目を配った論評をしてもらいたい。

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