アジアインフラ投資銀行をめぐって

昨日のブログで、韓国のアジアインフラ投資銀行(AIIB)参加について書いた。今、中国はAIIBの創設メンバーを募っているのである。恥ずかしながら、今日あることを知った。イギリスをはじめとするヨーロッパ数か国も参加を表明しているのだ。アジア地域の覇権をめぐる動きと見ていたので、ヨーロッパの事情まで目が届かなかった。

イギリスの参加についてはアメリカが強烈に非難しているみたいだ。しかしイギリスは経済的・金融的な理由で参加を決めたらしい。金融はイギリスにとって中心的存在でもあるので、損得勘定で考えると参加するというのは当然の結果のようだ。

しかし、イギリスのケースと韓国のケースを同一目線では語れない。イギリスにとって中国とは地政学的にあまりかかわりがないのに対して、韓国は地理的に隣国的存在なのである。中国との関係には防衛上の影響も考慮に入れざる負えない。

日本は現在慎重に考慮しているみたいだ。しかしおそらく参加はしないだろうと思う。その理由は、アメリカとの関係、防衛上の関係、経済上の関係を総合的に考えてリスクが高いからだ(あくまで僕の個人的見解だが)。

今回のAIIBに関して一番焦っているのはアメリカだ。中国の影響力の拡大は、必然的にアメリカの影響力の後退を意味する。したたかな中国に対してアメリカは躍起になっている。

AIIBは経済の問題だが、長い目で見ると中国の経済力の影響力の拡大、そしてそれは軍事的影響力の拡大へとつながっていくことは容易に予想できる。しかし地理的に離れているヨーロッパ諸国には今一つピンと来ないのだろう。

この様な状況の中で日本はある意味特殊な位置に立たされている。もしかしたらこれから日本がどのように中国と関わっていくかによって、中国をめぐる世界の動きが左右されるのかもしれない。

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