起業精神を押し付けるのは無責任だ

今に始まったことではないが、社会の中で、特に知識人がもっと起業しろ、起業精神を持てと煽っている。確かに起業して一から新しいことを始めることは素晴らしいことだ。そして成功すれば大きなリターンが入ってくるのも魅力だ。

しかし起業することはメリットばかりではない。もしかしたらメリットよりさらに大きいリスクがあるかもしれない。開業資金としてまとまったお金が必要だし、開業しても黒字に持っていくのは至難の業だ。

起業して成功する人の何倍もの失敗者が存在する。失敗してやり直そうかというレベルのことならまだいいが、莫大な借金を抱え自殺する人も後を絶たない。

田原総一郎氏は僕の好きな評論家のうちの一人だが、彼がやたらと企業しろ、起業精神を持てと叫んでいるのには納得できない。企業のメリットばかり取り上げて、リスクは一つもしゃべらないのである。田原氏に限らずビジネス雑誌などでも起業のリスクを取り上げたものは非常に少ない。そもそも田原氏は起業したことはあるのかと問いたい。

安易に起業するくらいなら起業しない方が絶対に良い。明確なビジョンと確固たる覚悟がある人だけが起業するべきなのだ。

20代、30代の死因第一位は自殺だ。もちろん自殺の原因は精神疾患など様々だと思うが、事業の失敗による借金が原因の自殺もかなり多い。この様に間違えば命のかかわるようなことを軽薄に煽り立てることは本当にやめていただきたい。

最後に、僕自身も起業自身は否定しないし、果敢に取り組もうとする人は素晴らしいと思うが、安易に起業すること、そしてそのような風潮を煽り立てるのは止めなければならないと思っているのである。

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