解くことと、構築すること。

数学の問題は「解く」と言うが、理論は「構築する」と言う。では数学者は解くために打ち込んでいるのか?構築するために打ち込んでいるのか?

問題を解くことと理論を構築することは表裏一体である。問題を解くためには、理論を構築しなければならない。受験問題なら解くと言う意識だけでもできるが、未解決問題を解くためには、時には何年もかけて理論を構築して、それを基に問題を解決することになる。

21世紀初め、ペレルマン博士がポアンカレ予想を解いた。問題を‘‘解いた’’わけだが、ペレルマンの解決の道筋は「ペレルマン理論」とも呼ばれる。ペレルマンはリッチフロー理論を基に独自の理論を構築し、実に技巧的に問題を解決している。

解くことは目標であり、理論の構築はある意味手段だと言える。しかし理論の構築は目標でもある。しかし、目標か?手段か?と言うのははっきり言ってどうでもいい。最終的には理論を構築し問題を解決することによって、自分の、そして人類の知と思想のレベルを上げることが重要なのである。従って、自分と人類の底上げにならない問題解決はあまり意味がない。しかし、そのようなほとんど意味のない問題を解いて実績を作っている数学者が実に多い。確かにそうでもしないとポストにありつけないのだろう。でも僕は、そうではない自分自身の目的意識をもって理論を構築していきたいと考えている。

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