複雑化と単純化。

世の中には二つの大きな流れがある。複雑化と単純化だ。それは科学においても言えることだ。大雑把に言えば、基礎科学の大きな流れは単純化であり、応用科学は複雑化であると言える。

複雑化の代表的なものは生物、特に人間であると言える。人間は膨大な数の細胞からなっており、複雑化の集大成である。しかしその複雑化の結果、マクロなレベルで非常に秩序のとれた単純化の様相も持っている。この様に一概に単純化か複雑化かとは一方には決められない。

基礎物理は単純化の作業の代表例である。特に素粒子論などの分野では、その単純化の作業を「還元主義」と表現される。この還元主義は科学の体系全体にも言えることであり、

マクロ生物学→分子生物学→化学→物性物理→素粒子物理

という還元的体系を構成している。従って、一番根本的な位置にある素粒子論を理解することは、還元主義的には科学全体を理解することにあたる。

複雑なことを理解することは個々の事象の理解につながるが、単純化をして理解することは物事の本質の理解につながる。単純化と複雑化はどちらが偉いというわけではなく、双方が両輪となって科学の理解は深まっていく。

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