自衛隊・自衛隊員はどうあるべきか

昭和32年、吉田茂元総理宅を訪ねた自衛隊員一期生に対して、吉田はこう話したという。

「君たちは自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終るかも知れない。きっと非難と か誹謗ばかりの一生かも知れない。御苦労だと思う。しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、 外国から攻撃されて国家存亡の時とか、災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。 言葉を換えれば、君達が日蔭者である時のほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか耐えてもらいたい。」(海上自衛隊・阪神基地隊「神戸海の小部屋」より)

最近、自衛隊員に対する人気は高く、国民の自衛隊員への尊敬の念が強い。それはそれでいいことかもしれない。しかし上の吉田元総理の言葉を聞いて考え直させられた。

最近、自衛隊員が最も活躍した出来事と言えば、言うまでもなく東日本大震災である。その際は自衛隊員は非常に苛酷な作業に就き、多くの住民を助けた。そのような規律正しい、また日本人として頼もしい存在である自衛隊は、日本の誇りである。

しかし東日本大震災は日本国民にとって非常に悲しい出来事であった。震災などないに越したことはない。すなわち自衛隊が出る幕がない方が国民は幸せなのである。ところが最近は何かと自衛隊の活躍話が多い。御嶽山の噴火もそうである。自衛隊に感謝感謝が続く。

自衛隊の一番の役割はもちろん「国防」である。現在は自衛隊の存在が目に見えない形で、そして時には自衛隊の行動によって他国の圧力から守られている。これも日本人としてありがたいことである。しかし直接的軍事行動が起こり、感謝しなければならない事態は何が何でも防がなければいけない。これは政治家の仕事である。そう考えれば、普段は何かとバッシングを浴びせられている政治家たちだが、時には政治家にも感謝の気持ちを表す機会があってもいいのかもしれない。

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