科学と科学技術

日本では特に、科学(サイエンス)と技術(テクノロジー)をひとまとめにして「科学技術」と言われることが多い。技術は科学に基づいているとはいえ、科学と技術は区別しなければならない。

技術は社会への応用・人の役に立つものという色彩が強い。しかし科学(サイエンス)は純粋に自然への探求心に基づくものであって、本来は人に役立てるためにするものではない。結果論として人の役に立つことが往々にあるということである。

しかしこの科学と技術を科学技術とひとまとめにすることによって、科学(サイエンス)自身が役に立つものとみられ、役に立たない科学は価値がないと思われるようになる。

科学(サイエンス)をやっていると言うと、「何の役に立つのですか?」と聞かれることが多いが、僕ははっきり「役に立ちません」と答えることにしている。うやむやにごまかして役に立つこともあるなんていうことはいわない。

しかしこの役に立たない科学は、長い目で見ると大きく役に立つことが多い。ただ現時点では何に役に立つのかわからないだけなのである。何かに役に立つように研究されていものより、むしろ何に役に立つかわからない基礎研究の方が後々大きく役に立つことが多いのである。

科学の価値を判断するときに、役に立つかという論点は一つの目安かもしれないが、純粋に科学的価値を判断することも忘れてはならない。

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