理研・高橋政代プロジェクトリーダーのグループが、眼科・iPS細胞・網膜移植に成功。

平成29年3月28日、iPS細胞を使った眼科臨床治療をリードする、理化学研究所・高橋政代プロジェクトリーダーのグループが、iPS細胞由来の網膜移植の臨床実験に成功した。正式な実験名称は、

「滲出型加齢黄斑変性に対する他家iPS細胞由来網膜色素上皮細胞懸濁液移植に関する臨床研究」

という。

実験名称を読んでも、何が何だかよくわからないが、単純に言うと、他人から作成されたiPS細胞から網膜を作成し、移植したと言うことだ。プレス発表によると、この臨床は世界初だそうだが、”本人”由来のiPS細胞による同様の移植は、以前、今回と同じ高橋政代さんのグループが成功したように記憶している。すなわち今回は「他人」の細胞由来というところがポイントだ。

iPS細胞研究は、山中伸弥所長のiPS細胞研究所を起点として、臨床実験がこれから広がろうとしている。その臨床の最先端を行くのが、高橋政代リーダーのグループだ。

iPS細胞研究・医療の大きな特徴は、複数の機関が連携し、役割分担がされていることだと言えるかもしれない。今回の網膜移植臨床でも、理化学研究所・京都大学iPS細胞研究所・大阪大学・神戸市立医療センター中央市民病院の4機関が連携して行われている。

僕は海外のiPS細胞研究の事情はよくわからないが、おそらく日本はリードしているのではないかと思われる。とは言え、以前、山中伸弥教授は「iPS細胞研究・医療は、日本とアメリカは1勝9敗だ」と言われていた。すなわち、最初に発見したのは(もちろんこれが一番重要なのだが)日本(山中グループ)だが、それに続く研究ではアメリカが勝ち続けていると言うのである。

高橋政代チームの臨床は、これから数十年に及ぶであろうiPS細胞医療の行方をうらなうものだ。そういう意味でも今回、高橋政代チームが新たな臨床の初例に成功した意味は非常に大きい。

これからの日本におけるiPS細胞医療の大きな発展を祈るばかりである。

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