現代の価値観だけで、歴史を語ってはいけない。

価値観というものは、時代によって変化していくものである。従って、現時点で良いと言われていることが、次の時代で悪と言われることは多々ある。すなわち現代の価値観だけで歴史を見てしまえば、歴史の本質を見誤ってしまうことになる。

太平洋戦争時の事に関しては、戦後ほぼすべての事が悪であると教え込まれてきた。その中でもA級戦犯は今でも極悪人だと思っている人がいる。この“A級”とは本来は“一番悪い”という意味では全くないのにもかかわらず。

さすがに戦国時代の事にもなると、現代の価値観を押し付ける人は少ない。もし現代の価値観だけで評価すれば、織田信長は残虐独裁者となってしまう。

日本人は同調圧力に弱いと言われる。そのうえ、日本の同調圧力はかなりひどいレベルである。このような同調圧力の中で独創的な成果を出そうとすれば、かなりの精神力が必要だ。すなわち独創的な才能があるかどうかということとは違う部分に左右されることになる。

歴史に対する評価も、かなり同調圧力がかかっているように思える。A級戦犯を称賛しようものなら、極悪人だと非難されるだろう。もしそう批難する人がいれば、城山三郎著「落日燃ゆ」を読んでもらいたい。

いつの時代も現在の価値観が正しいものだと教え込まれる。もちろんこれはほぼ同調圧力によるものだが。しかし次の時代には次の時代の同調圧力がかかり、違う価値観に変わってしまう。すなわち一時代の価値観だけで歴史を評価すると見誤ってしまうのだ。

価値観が時代により変遷することを考慮すると、歴史は点ではなく線で見ることが必要である。そしてこのような大局的な視点で物事を見ることは、何に対しても非常に重要な事であることがわかる。

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