来週、ノーベル賞発表。これからの日本の科学の行方。

来週月曜日の医学・生理学賞を皮切りに、ノーベル賞受賞者の発表が始まる。受賞者をニュース速報で知るのもいいが、ノーベル財団公式サイト「Nobelprize.org」で、発表の中継を見るのも面白い。この公式サイトはもちろん全て英語で書かれているが、ノーベル賞のこれまでの歴史や特集など盛りだくさんで、結構面白い。

ところでこれからの日本のノーベル賞、もっと広く日本の科学界はどうなっていくのであろうか。最近しばしば忠告されていることであるが、日本の科学の将来はかなり暗い。そのことは、2015年物理学賞受賞の梶田教授や、去年の医学・生理学賞受賞の大隅教授も頻繁に口にしている。

その原因は、日本の「基礎科学の軽視」にある。最近の日本の科学政策は、圧倒的に応用重視だ。役に立つもの、さらに言えば儲かるものに対して、圧倒的に予算が回される。もちろん、ノーベル賞だけが科学ではないが、ノーベル賞は圧倒的に基礎科学重視である。

20世紀まで、日本は圧倒的に基礎科学に対して寛容であった。それが湯川秀樹をはじめとする基礎科学者のノーベル賞受賞につながってきた。

役に立つ科学・儲かる科学の価値は非常に分かりやすい。しかしそれらの応用科学は言うまでもなく基礎科学の下に成り立っているのであり、基礎科学は国家の科学力の基礎体力である。すなわち基礎科学軽視は、役に立つ儲かる科学の衰退にも結び付いてくる。

iPS細胞研究も、元はと言えば基礎科学の研究であった。それが今では再生医療という圧倒的に役に立つ科学に昇華している。

日本人のノーベル賞受賞が続いているとは言え、科学技術立国としての日本の将来は非常に暗い。そのような展望を修正するには、文科省などの科学政策に関わる官僚・政治家の基礎科学に対する認識を変えるしかない。

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