安倍談話発表

先ほど、8月14日午後6時ちょうどから、安倍首相による戦後70年談話が発表された。談話は15分位の長いものになると思われていたが、実際はそれよりも長い20分を超えるものであった。そして村山談話を継承するのかという点に関しても注目を浴びていたが、内容を全体的に眺めてみるとほぼ村山談話を継承していると言っていいのではないかと思う。

具体的な内容だが、アジア諸国へのお詫びなどの村山談話に通ずるところ以外では、まず国際問題解決の手段として武力行使は決して下してはならないという点を強調していた。そして基本的人権・自由を守ること、そして武力による現状変更はしてはならないということを強調していた。これらに関しては、先の戦争までの軍国主義日本への反省を表明したことだが、それと同時に中国に対しての国内政治、そして南シナ海をはじめとする現状変更に対してけん制したものともとらえられる。この点に関しては非常に練られた文言だと言える。

そして、戦後に直接関係ない子や孫、さらにこれからの子孫に対して延々とお詫びを言い続ければならないようなことはあってはならない。そのために我々の世代で残された問題はしっかり解決しなければならないと言及された。これに関しては過去の歴史にいつまでも縛られずに、未来志向で考えていこうという安倍首相のメッセージだととらえられる。

安保法案に関しては中国を敵かそうでないか、どちらの味方をするかで解釈が変わる。安倍首相は安保法案の真意は戦争を未然に防ぐ、あるいは戦争のリスクを軽減するものだと主張された。この点に関してはこの法案を戦争法案と一括りで反対している市民も一考を要ずるところであろう。

この談話に関して、一部分を切り抜くのではなく全体を通して理念や趣旨を理解してほしいとも言われた。このことに関しては、メディアがしがちな一部分切り抜き攻撃に対してだけではなく、重箱の隅をつつくように攻撃してくる韓国をけん制したものとも考えられる。

以上、非常に長い談話で、その長さゆえ一つ一つのことが薄くなりがちな感もするが、安倍首相の表明したいことをほぼ全て詰め込んでのことだととらえたい。

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