ロシア副首相「はらきりして落ち着くべく」発言

北方領土問題に関して、ロシア副首相が日本に対して「はらきりして落ち着くべき」と発言したことが問題になっている。はっきり言って問題にするに足りないほどのくだらないものなのだが、少し問題にして見る。この「はらきり」つまり「切腹」の用語として国語として全くトンチンカンな使い方をしているが、外国人なので正確な使い方をせよという方が難しい問題だろう。おそらく深い意味はなくて、ただ単に「はらきり」という日本語が思いついたから口にしたというレベルであろう。

しかし日本人としては、切腹について簡単に済まされるのにはやはり簡単に見過ごせない。切腹は単なる自殺方法ではなく、日本の千年以上にわたる武家文化と切り離されない思想である。切腹は自分の名誉を守るための手段でもあった。武士のプライドの究極の姿である。とは言っても、現代の日本人には切腹の思想を全く理解していない人も多いであろう。

新渡戸稲造の著書に「武士道」がある。もともと英語で書かれたのが原著なので「BUSHIDO」というべきかもしれない。この新渡戸の著書によって日本の思想、そして切腹の存在が広く世界に知れ渡ることとなった。武士道の第12章に「自殺および復仇の制度」という章がある。ここで切腹について述べられている。武士道は僕の大好きな本であり、岩波文庫版の本を持ち歩いていることが多いが、武士道を読んで感銘を受けては、記憶力が悪いのですぐに忘れてまた読み返す。

もしかしたら、現在の日本人よりも新渡戸の「BUSHIDO」が広く世に出回った明治時代の外国の方が、日本思想や切腹について詳しいかもしれない。明治時代に新渡戸が世界に「BUSHIDO」を発信したように、いま日本国内に「武士道」を再発信し、もう一度日本人の心に武士道精神を再確認すべきかも知らない。

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