ブラックホールが直接観測されたようだが。

4月10日、国際的な研究チームが、ブラックホールを直接的に観測することに成功したことが報道された。最近はブラックホールというものが完全に市民権を得て日常的にも話題になることが多いが、これまではブラックホールの存在は間接的にしか観測されておらず、今回の観測が初の直接的観測となったようだ。

ブラックホール存在はアインシュタインの一般相対性理論からの帰結として出て来るが、相対論から初めてブラックホールの存在を導き出したチャンドラセカールのことはあまりよく知られていないように感じる。今回の直接的観測は大きな成果かも知れないが、それは重要性からという以上に、興味の大きさから来るものだと感じないわけではない。重要性という観点で言えば、チャンドラセカールの理論の方が圧倒的に大きい。しかし大理論の常と言うか、チャンドラセカールが理論的にブラックホールを発見した当時は周りの研究者からはほとんど受け入れられなかったという。もちろん、今となってはチャンドラセカールに対する評価は絶大だが。

本質的に重要な成果は、多くの場合すぐには受け入れられない。なので大理論を目指すには、同時に小さな結果を出し続けることが要求される。それが出来ないと自滅することになるかもしれないので、結果が出て評価されるのが先か?自滅するのが先か?という争いになる。

成果の大小は研究費の大きさに必ずしも比例しない。今回のブラックホールの直接観測には多くの研究者と多くの観測施設が関わっていたようだが、おそらくかかったお金も膨大であろう。しかしブラックホールの存在を導き出したチャンドラセカールは、おそらく紙とペンだけでこの重要な結果を出したと思われる。ペンの力は偉大である。そして科学では往々にして、ほとんどお金をかけずにペンだけで大理論が出される。もちろん研究している分野によってかかるお金はまちまちだが、研究結果は必ずしも研究費に比例しないことは認識しておくべきである。もちろん、研究者が生活できるくらいの最低限のお金は必要だが。

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