ノーベル化学賞・大村智さんの多彩な才能

先日、北里大学の大村智特別栄誉教授がノーベル化学賞を受賞されたことは記憶に新しい。その大村氏であるが、彼は科学者として超一流であることは今回の受賞により明らかであるが、経営者としての腕前も超一流であるという特集記事を、読売オンラインで読んだ。

彼は微生物によって生み出される物質から病原菌を殺す抗生物質を抽出し、この成果がノーベル賞受賞につながった。しかし彼の業績はそれだけではなく多彩な分野に広がる。

抗生物質の抽出に成功した大村さんは、製薬会社のメルク社と共同開発契約を結び、大村さんの全面アップのもとメルク社は製薬事業で大成功する。現在で言う「産学連携」というものである。今盛んになりつつある産学連携を大村さんは何十年も前に実行していたのである。

さらにメルク社からのロイヤリティーにより北里大学・北里研究所に巨額な資金がもたらされた。それまで北里大学・研究所はほぼ破たん状態だったらしい。それが大村さんによってもたらされたメルク社からのロイヤリティーによって大きく立て直されたのである。そして大村さんは北里の理事、理事長として大きく腕を振るわれた。その時、大村さんは経営書を多数読み、経営ノウハウを身に付けたらしい。大村さんは経営者としても超一流だったのである。その後、北里以外の他組織でも経営・運営を任されて立て直された。

科学者というと一日中研究に取り組んで、社会のことにあまり興味がないというイメージが蔓延しているが、大村さんの業績はそのようなイメージを根底から覆すものだ。大村さんの評価は科学的業績だけでは判断できない。アフリカの多くの人間を病魔から救って病原菌を絶滅させた、これは人道的貢献に当たり、実際大村さんはノーベル平和賞の有力候補とも言われていたという。そして経営者としての業績。

いかにも人のためを一番に考えて生きてきた大村さんらしい業績である。

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