「想定外」を想定する

最近何かと「想定外」なことが多い、つい先日の鬼怒川決壊災害も想定災害マップはあったものの、住民、そして役所の人たちにとっては想定外であったようだ。実際役人たちは災害対策本部を常総市役所に設置したが、その後その常総市役所自体が浸水被害を受け、機能不全に陥った。いかに災害を想定していなかったかということの証拠であろう。気候温暖化などもあり気象災害、そして気候とは関係ないが地震・津波災害など想定外は常識となり、「想定外を想定する」時代になったのではないかと思う。

想定外を想定するという発想は僕が勝手に考えたことで、その言葉の定義は全く定まっていないが、これからこの「想定外の想定」という言葉の定義、そしてどういう試みを想定外の想定とみなすか、これからの災害対策として考えていくのはどうかと思う。

想定外は言葉通り、想定していないことだ。つまり想定外の想定とは、想定外のことが起こった場合にいかにして迅速に対応するかということに尽きるのではないかと思う。そのためには想定外災害に対しての指揮系統を構築する必要がある。つまり見えないものに対する対策だ。もちろん現在でも想定外のことが起きてもそれなりの対処はできていると思う。しかし東日本大震災の例のように、想定外は場合によっては桁違いな被害をもたらす。それを防ぐために必要なことのうちの一つが「固定観念にとらわれない」と言うことだ。東日本大震災の時は、マグニチュード8クラスの地震は起きてもマグニチュード9クラスの地震は絶対に起きないという固定観念が行政にも住民にもあった。しかし調べてみると、約千年前に起きた貞観地震は東日本大震災と同規模の地震だったことがわかった。しかしこのことが言われたのが大震災後のことである。

想定外な事には大概前例が存在しない。だからこそ想定外が起きた場合には現実をいち早く確認し、現実に応じた災害対応を前例・固定観念にとらわれずに実行することが必要だ。

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